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脳血流シンチは脳の形態変化の前段階に起こる、脳血流の変化の状態を調べる検査です。CT・MRI検査ではとらえる事のできない、早期の認知症の診断、早期の脳血管障害や神経症状の検出、脳の機能評価に用いられます。
注射前に10分閉眼していただき、放射性医薬品(I-123IMP)を静脈より投与します。
注射15分後から仰向けの姿勢で30分間の撮影を行います。
(ベッドに寝ていただくだけの検査ですが、30分の安静が難しい方にはCTやMRI検査をお勧めします。)
検査風景
診断においては視察法(横断・矢状断・冠状断)の他に統計画像解析(※1)を行っています。統計画像解析を行う事によって、認知症の分類や進行具合を客観的にとらえやすくなっています。
SPECT 横断画像
患者様の脳血流SPECT画像を同年代の正常な血流分布の患者様と比較して、正常者よりも血流が低下している部分を画像表示する解析方法です。
当クリニックでは、3D-SSP(日本メジフィジックス社)、eZIS(富士RIファーマ社)、2つのアプリケーションを用いて解析を行っています。
統計解析(3D-SSP)
アルツハイマー型認知症では健常者に比べ、後部帯状回、楔前部の血流が低下する事が分かっています。軽度認知症の段階でもこの変化は起こり、これをとらえる事で早期段階での治療の開始が可能となります。
後部帯状回、楔前部に血流低下が見られる(▼)
アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症に次いで見られる疾患です。臨床症状では幻覚・幻視やパーキンソン症状を示す事がある疾患です。
血流低下が両側の後頭葉内側部に見られる(▼)
画像診断ガイドラインにおいても認知症の診断には脳血流シンチの実施が推奨されています。
脳血流シンチは認知症の早期診断や病型の判定に非常に有用なモダリティーでありますが、MRI検査などの画像診断検査で他の原因(脳血管障害等)を除外する事も大切です。