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整形領域でX線撮影(レントゲン)は関節や骨の状態を見るのに適しており、日常の診療においての大変重要な役割を担っています。X線撮影で診断可能な事が多い中、CTが診断や治療方針の決定などに有効的であった症例をピックアップいたします。
当院のCT装置は検出器にガーネットを使用しております。ガーネットはX線に対して非常に感度がよく、従来と比べて約2.5倍の高分解能、高画質のデータを取得することができます。
撮影したデータは3方向(X,Y,Z)に0.625mmの分解能を持っています。0.625mmのキューブを積み重ねて大きなボリュームデータ(立体データ)を持っていると思って頂けると分かり易いと思います。この大量のデータを256列CTでは最短0.28秒で、80cmくらいの大きな範囲でも5秒程度で収集できるのです。
進歩したのはCTだけではありません。最新の画像ワークステーションでは、このボリュームデータを3次元処理であらゆる方向に切り出したり、立体視画像を作成でき、この事で従来のCTではできなかったあらゆる方向からの画像観察が可能となりました。
上腕骨頭骨折
横突起骨折
手・足の骨は複雑に入り組み合っており、それらを写真で観察するのは、多方向からの観察が役立ちます。また分離するのに3D処理が役立ちます。
豆状骨骨折(コロナル断面像)
豆状骨骨折(3D処理画像)
豆状骨骨折(3D処理画像)
第四基節骨骨折(コロナル断面像)
第四基節骨骨折(3D処理画像)
第四基節骨骨折(3D処理画像)
CTでは、骨片など遊離体の描出に優れています。3D処理により関節との位置関係を表現できます。
サジタル断面像
3D処理画像
3D処理画像
アキシャル断面像
3D処理画像
3D処理画像
初期
6ヶ月後
9ヶ月後
分離から融合と治癒過程を捉える事ができます。
分離症は、成長期のスポーツ選手に多く、経過を観察するため被ばくが問題になります。しかし、当クリニックでは、最新の被ばく低減システムの導入により、通常に比べ、50~75%の撮影線量の低減を行っています。
肋骨骨折は、微細な信号であることが多く、肋骨自体が彎曲しており、なかなか骨折面を指摘するのは困難です。
しかし、CTでは、広範囲を一度に撮る事はもちろん、アキシャル断面像、サジタル断面像など様々な角度からアプローチすることができます。そのため、骨折面に合わせてスライスを切ることができます。また、全体を客観視できるため、骨折している肋骨が同定し易くなります。
↑広範囲における骨折も容易に描出できます。
↑変形性関節症の例
骨頭のみを切り離すことができ、関節窩の観察も可能となります。